起立性調節障害のメカニズムと整体での施術法
ベッドや椅子から立ち上がった瞬間に、ふらつきやめまいなどを感じたことありませんか?
これは起立性調節障害と言って( 簡単に言うと立ちくらみ)自律神経に関係がある病気です。今回はこの起立性調節障害のメカニズムと当院で行っている施術法をお伝えしていきます。
(読了時間:4分)
西日本カイロプラクティック業協同組合理事
中央カイロプラクティック院堺院長
安田正典
起立性調節障害のメカニズム
そもそも起立性調節障害とはどうして起こるのでしょうか?
例えば椅子に座っていて突然立ち上がったとしましょう。この何気ない動作ですが体の中では目まぐるしい変化が起こっています。
急に立ち上がって直立姿勢をとると、1リットル近くの血液が重力の影響で下半身にとどまろうとします。この血液を上半身に送るために、自律神経の交感神経が働いて血圧を上昇させます。
この交感神経が働かないと、脳に血液がいきにくくなり貧血のような立ちくらみが起こります。
交感神経を働かすためには
交感神経を働かすためには、後述する整体の施術も必要ですが、セルフトレーニングとして自分でできることを今から紹介していきます。
自律神経は交感神経と副交感神経があり、それぞれ交感神経は闘争と逃走の神経で、
副交感神経はリラックスする神経です。究極のリラックスは睡眠です。
自律神経は感情にも左右され、
怒りの感情を出す時は交感神経、
悲しみの感情を出す時は副交感神経が働きます。
怒りを抑圧していると交感神経が働きにくくなります。
また、怒りを抑圧しすぎると怒りの感情自体が感じなくなるので、怒りを感じない人は要注意です。
ここで大切なのは、怒りの感情は何も悪くありません。
怒りとは、自分や自分の大切な人を守るための大切な感情です。感情自体は何も悪くなく、感情を外に出す時の方法を注意しなければなりません。
交感神経を働かせるためには、怒りを表現できなければならないのですが、多くの起立性調節障害の方は怒れない方がほとんどです。
ではどうしたら交感神経を働かせられるようになるのでしょうか?
2つの方法をご紹介します。
①声出し
皆さん怒った時をイメージしてください。
怒った後どうしますか?
大声を出して怒鳴りますよね。
社会的には、怒りに任せて怒鳴る人はダメな人間だとレッテルを貼られますが、生物学的には怒る→怒鳴るということが正常な反応です。
交感神経を働かすためには、声を出すという行為が重要になってきます。
怒りを感じなくても、大きな声を出すことをしていくと交感神経が働くようになります。
カラオケなんかもおすすめです。
②筋肉運動
皆さん、怒りが頂点に達して怒鳴った後どうされますか?
殴りかかりませんか?
怒りに任せて殴りかかると警察沙汰になりますが、生物学的には怒り→殴ることが正常な反応です。
殴ることは出来ないですが、その代わりに筋肉を動かすということが交感神経を働かせるための重要なカギになってきます。
筋肉運動の種類や時間は人によってバラバラなので一概には言えないですが、とにかく身体を動かす事は交感神経を刺激します。
この2つが交感神経を働かせために重要なセルフトレーニングになります。
整体での施術
当院での自律神経の施術は主に軟部組織と骨の調整を行います。
軟部組織の施術は大きく分けて2つあり、1つ目は首の筋肉を緩めます。
首の筋肉が硬くなると脳に行く血流が悪くなり起立性調節障害の原因にもなります。特に首の前の筋肉が硬くなることが多いので注意深く診ていきます。
もう1つは、横隔膜などの呼吸に関連した筋肉を緩めていきます。呼吸が浅くなると血流はもちろん悪くなりますし、自律神経も乱れを起こします。起立性調節障害の方を注意深く観察すると呼吸が浅い方がとても多く見受けられます。
骨の調整は主に頭蓋骨と首の骨、骨盤の調整を行います。脳の中の脳幹と言われる部分に自律神経の中枢があり、頭蓋骨や頚椎が歪むと脳幹の機能低下が起こり( 病院の検査ではわからないくらいの機能低下)自律神経が乱れます。この2つの部分を矯正することにより自律神経の乱れが回復します。
起立性調節障害は比較的女性の方に多い症状です。この病気が原因で不登校や会社に行けない方が多数おられます。あきらめないで一度自律神経の治療を行える整体に行かれてみてはいかがでしょうか?
前述したセルフトレーニングも是非試してみてください。
投稿日:
中央カイロプラクティック院堺 安田